今後のコンビニ経営の危うさ

平成の時代もまもなくお別れとなります。小売業の中で、華々しい活躍を続けてきたコンビニ、失礼な言い方になりますが、平成の始まりから、何ら企業としての努力無しでも、伸び続けた業種ではないかと思います。圧倒的に強いAチェンは、別のようです。新しい考えから、一歩先に、手掛け、業界をリードしています。コンビニの利益で、同じグループの不況のスーパーを復活させています。コンビニ、スーパー合わせての仕入れで、仕入れ価格を抑え、銀行業にもいち早く参入、打つ手が早く、次々と成功させています。結果として、毎期増益の好決算を続けています。オーナーに対しても、いち早くロイヤル率を1%下げ、形のうえでは、理解を示しているように見えます。ただ、加盟店側からみれば、コンビニ業で儲けた利益を、何でスーパーにまわすのか?俺達に還元してくれよと言いたいところだと思いますが、B、Cチェーンはなんら加盟店に役立つ事無く、尻を叩くことしか無いような気がしてなりません。平成の中頃、パホーマンスが目立つトップが登場して、マスコミ受けする発信に多くのオーナーが期待した事がありました。24時間営業の見直し、コンビニの将来像を語ったり、新しい形のコンビニをオープンさせたり、安売りの小売業の買収に手を出したり、活発な行動にマスコミは取り上げました。しかし、ほとんどが上手くいかなかったように思います。それなのに、マスコミに語るのは、結果オーライの好決算をもとに、経営の立て直しに成功したかのような事を語っていました。実際はどうだったのか?本部が増収、増益を続けている間、オーナーの店利益は、下がり続けています。その頃から10数年、下がり続けています。悪く言うと、加盟店の利益低下をカバーしないで本部だけの利益を上げて、好決算に繋げただけで、手腕を発揮した訳ではないと思います。私は本来、本部と加盟店の関係は、共存共栄の道を歩むのが基本であると思っていました。私がオーナーだった頃の最も良い時期の平成10年〜13年頃は、まさに共存共栄の時代だったと思います。コンビニ経営は、本部も、加盟店も、利益を上げる、車の両輪の如く信頼し合える関係だったと思います。唯この頃でも、採算が合わず去っていた仲間もかなりいました。コンビニ経営は難しい業種だと思います。コンビニチェーンの本部は毎期の決算を発表する時は、加盟店の店利益も好評すべきだと思います。車の両輪の片方が右肩上がりを続けている中、片方は毎年の店利益が前年割れ、加盟店は10年以上苦しい状況が続いています。何も手を打たない経営陣は加盟店の毎月の店利益をご存知の無いのでしょうか?コンビニチェーンのトップは現場の声を聞きたいとおっしゃいますが、本当の声無き声を聴きたいなら、現場を知らない身近な社員より、SV.、地方の支店長から本音の声を聴くよう、取り組んで下さい。会社思いの心ある部下なら話してくれると思います。私のオーナー時代、真剣に相談に乗ってくれる人達も何人かいました。フランチャイズシステムは店舗数の伸びが、不可欠な事は分かりますが、低成長時代の流れは止まらないようです。JR東日本他、旧国鉄は、親方日の丸的な考えから、大きく変わりました。駅という立地、それだけの利点を活かした、提案を取り上げての案が次々と生かされたようですが、見事な改革だと思います。コンビニチェーンも、従来のパクリ的な発想だけでは限界です。世の中が大きく変革しています。加盟店の従業員に対する働き方改革、残業時間の短縮、社会保険への加入等、労働基準監督署、年金機構等の監視が厳しくなってきます。現場は問題山積です。本部も傍観者でなく、指導的な立場で取り組む時期に来ていると思います。今まで通りのやり方では解決出来ないと思います。コンビニ業界全体危い時期にさしかかってきているのではないかと思います。第二人生としてコンビニ経営を長く続けて良かった思う元オーナーとしては、加盟店がやって良かったと言えるような復活を願っています、ちなみに、私は31年のサラリーマン生活では、持ち家のローンを在籍20年で返済、退職金、約2500万でした。20年のコンビニ経営では、もう一軒の持ち家、小規模共済からの退職金家内と合わせて約2300万を受け取りました。第一の人生と同じぐらい稼がせていただきました。これからも第二の人生の岐路に立つ人が沢山出てくると思います。コンビニ経営を選んで良かったと言われる業種になって欲しいと願っています。基礎基盤がしっかりしているコンビニは、まだまだチャンスはありそうです。目の前の問題解決に逃げずに取り組んで、コンビニ経営を目指す人にが夢を持てるような復活を期待したいです。色々申し上げました。私と同時代の方で親しくしていた方が 4〜5人います。昔は良かったと言える仲間たちです。同じように稼がせてもらったと思われる人も多いと思います。本音では今でも、第二人生としてコンビニ経営を選んで良かったと思っています。唯、ここ10数年の加盟店の店利益の低下、諸問題山積に、今後のコンビニ経営の危うさを思い、敢えて苦言を申し上げました。