ペットとの思い出その1

今年、1月に後期高齢者に仲間入りとなりました。年相応に色々の経験を積んできました。

その割に、ペットを飼った事は二度しかありません。それもネコだけです。 

ネコ好きを自負している私にとっては不本意な事です。

ただ、二回のネコとの生活は、どちらも、10数年間と長く暮らす事が出来ました。

この事は今でも楽しい思い出として、心に深く残っています。

その頃を記憶をたどりながら、綴っていきたいと思います。

最初は小学校3年の時でした。昭和27年頃だったと思います。

父親が知り合いに頼まれてのことでした。

まだ生まれて二カ月余りのミケのメスネコを貰って来ました。

とても毛並みの良い、綺麗な子猫でした。

先ずネコの躾が大変でした。

トイレの躾でした。砂の入ったトイレでの用足しを教え込むのが大変だったようです。

ところ構わず、してしまうので、両親は、時には、叩いて教え込んでいました。

利口な子猫はしっかりと理解したようです。

私には二つ年上の姉がいました。

二人のネコの争奪戦が始まりました。

普段は姉には従順な私でしたが、本気で取合いをしました。

特に寝る時は勝ったり、負けたり、の毎日でした。

今思うと仲の良かった姉弟だったのだと思う今日この頃です。

このネコはミーと名付けられました。

放飼で飼うことにしました。

日増しにミーは慣れて、成長して行きました。

何より美形で、毛並みの美しいネコでした。

出入りは廊下の扉を少し開けてミーの出入り口としました。

出入り自由にしてもらったミーは、近隣の方から可愛がってもらいました。

この頃は、家も庭も狭くて、古い建家だったので、肩身が狭かったようでした。

近所も皆同じようだったと思います

ただ、ミーが成長して、近所の人から可愛いがられるようになって来ました

美形で、毛並み美しいミーは、近所で評判になってきました。

自慢出来るものが何一つなかった我が家にも、ミーが、待望の役割を果たしてくれたようです。

65年ぐらい昔の話なので、記憶は曖昧なところもありますが、お許しください。

まもなくミーは妊娠して仔猫を生みました。5〜6匹の可愛い仔猫が誕生しました。

私の寝床での誕生でした。

子猫が続けて誕生するのに、長い時間がかかりました。

お産の時の苦しみは大変なことだったと、

幼心に、焼き付けられてようでした。

お産から2〜3日後、ミーは私の寝床に入ってきました。

寒かったせいか、子猫を1匹づつくわえて侵入してきました。

子猫が私につぶされないように、ミーの背中を私側にガードを固めて、子猫の安全を確保して、背水の陣で眠りにつきました。

子猫の暖かさを守る為、ミーなりの知恵を思いついたようです。

近所でも人気者になったミーは、自由に歩き回りながら、たまには悪さもすることがあり、母がお詫びすることもありました。

又、怪我も多くなり、病院通いも増えて、治療費もかさみ、母は大変だったようです。

そんな事は御構い無しに、姉と私は、ミーが

元気ない時は、獣医に連れて行くように、母に

せがむことが多かったようです。

私が中学校に通う頃は、ミーもすっかり成長して、近所の飼い犬と渡り合ったりすることもあり、そんな大人っぽくなってミーでしたが、

ある時、犬を本気に怒られせた事がありました。

たまたま、そばにいた私に飛びつき、私の肩に乗ってきた事がありました。

私はびっくりしました。

それ以上に嬉しかった事は、私を頼りにしてくれた事が何よりだったと思います。

ミーも高齢を迎えてきました。ヨダレを流したり、老化現象が現れてきました。

姉弟があれほど取り合ったミーなのに、薄情すぎます。反省しています。

唯、母のアドバイスで、まいかけのような物を、ヨダレよけとして、を作ってくれたので、

再び私の寝床に入ってくるようになりました。

薄情のレッテルは貼られ続けられなくて、良かったと思います。

その後ミーも老化していきますが、それなりに元気に過ごして、廊下で日光浴をするのが、楽しみのようでした。

私が大学に通う頃は、外出するのは、めっきり減ってしまいましたが、ある時、外出中に、放飼の犬に襲われたようです。

運悪く、評判な凶暴な犬でした。

近所の人の話では、ミーは怪我をしたようでした逃げていくのを見たと聞いて、帰ってくると思っていました。

ところが、そのまま戻ってくる事はありませんでした。

ネコは死に目を合わせないと聞いていた事が、

本当だったようです。

しばらくの間は、犬に対しての憤り、飼い主に対する憤りがおさまらない日が続きました。

小学校低学年から大学までの十三年弱の長いようで、短い間でしたが、私の青春時代の大きな比重を占める一つとなっています。

又、この事は今でも懐かしい思い出として、強く残っています。

次回、ペットとの思い出その2を書きたいと思います。