ペットとの思い出その三の2

我が家の大きな出来事というのは、私の転勤の話でした。名古屋支店に28年在籍、水があったのか、楽しく居心地の良い環境からの別れは残念でした。

22年間生まれ育った祐天寺の実家が近い、

幼馴染や学生時代の友人との距離が近くなる、やってみたいと思った事もある都心での仕事、好奇心、不安という妙な好奇心もありました。

東京支店、北関東営業所兼務という辞令を受けとりあえず北関東を中心にやるようにとの事でした。

息子の高校受験もあり、水戸に単身赴任することにしました。

結局、息子は土浦の高校に入学し、家族揃っての生活が再開しました。水戸と東京の中間の土浦で家族を迎えることにしました。

ピーの話に戻りますが、ピーは既に家族の一員として、存在感を発揮していました。

一宮市から土浦までの長旅が心配でした。

私の運転で、家族全員移動となりました。

名古屋から茨城までの長旅、車の中にピーのトイレも用意して、万全の体制を整えました。

車の中での長旅、ピーは緊張感のある初体験に、心配でしたが中間地点の静岡あたりで、そわそわして、トイレを首尾よく済ませました。

そのまま土浦の自宅に無事到着しました。

当時ペットお断りの貸家が多く、探すのに苦労しましたが、やや古めの貸家に住むことになっていました。

家族はピーの為なので、皆んな納得していました。家に入るとピーは二階の部屋から家中を回って、自分の居場所を見つけようと思っているようでした。ただ、自分のせいで綺麗な家を借りななかった事を気にしているようにも見え、肩身がせまいようにも見えました。

それでもピーは直ぐに、居場所を見つけました。 一階の八畳の居間でした。陽当たりの良い昼寝に最適な窓際を確保しました。  

古い一軒家、ピーが自由は動けて満足そうでしたが、私達はなんとなくもう少し見映えする家に住みたいと思うようになってきました。

幸い、一宮市の家を売って来たので、予算はあったので、家を購入するならペットを飼おうが、文句は無いだろうと、物件を探す事になりました。

土浦駅から歩いて25分ぐらいで、通勤は駅まで、家内に送り迎えを引き受けてくれました。

この家は積水ハウスがこの周辺の町づくりとしての分譲販売した人気の住宅街だったそうで、中古の住宅でしたが、私はこの家が気に入り、やや高めでしたが購入しました。

ピーはこの家でも、一階の陽当たりの良い居間をすぐに確保しました。

積水ハウスのやや高級な住宅が密集しているタウンで、環境の良い住み易い場所でした。 

この地で、ネコ好きの私にとって、百八十度違う、考えられないような変化がありました。

近所の人が犬を飼っていました。時々放し飼いにするので、被害を受けた人が多いとの酷評が伝わってきました。

ある日私の家の前で、その犬に出くわしてしまいました。

私と睨み合いになりました。逃げたら、襲われると、咄嗟な思いつきで、家内がピーの餌を用意したので、それを与えました。意外に犬はおとなしくなってきました。

逃げなかった事と餌を与えた事が良かったようです。その犬はハナと名付けられていました。

その日を境にハナは懐いてきました。

ハナは我が家から三軒奥の家に飼われていました。ハナは我が家の庭が裏にあるのに気がついて、毎日ののように、二軒の垣根を飛び超え、我が家の庭に現れるようになりました。犬嫌いの私でしたが、次第にハナに愛情を感じるようになりました。

ハナとの出会いが私の犬嫌い、ネコ好きの信念をぐらつかせるような影響を与えることになってきました。

この頃の心境の変化を思い出しながら、次回犬ハナとの思い出を話たいと思います。