ペットとの思い出その二

ミーの死の原因が犬に襲われたと言う、余りにも悲劇的な事件でした。

別れの辛さが大きかった為、しばらくの間ペットを飼う気持ちにはなれませんでした。

その後私は大学を卒業して、建材関係のメーカーに就職しました。

東京育ちの私でしたが、名古屋支店に赴任しました。その後、結婚して長男が誕生し、34歳の時に、愛知県一宮市に戸建て住宅を購入しました。家の裏には畑があるあり、陽射しの入る、空気の良い住みやすい場所でした。

時々ネコを見かけるようになりました。

畑を飛び回るネコを見るたび、幼かった頃のミーとの思い出が、よみがえって来ました。

休日になると、ネコと会えるのが、楽しみのひとつとなって来ました。

ネコが3〜4匹いたと思いますが、その内の白黒のネコが、特に懐いてくれました。

小学校に通うようになった息子もネコ好きになって来ました。

白黒のネコを[ピー]と名づけました。

ネコを家で飼うは家内が反対しました。

庭での付き合いだけという事で落ち着きました。

私と息子のネコとの交流は深まっていきました。

ネコに興味のなかった家内も少しずつ理解するようになって来ました。

賢いピーも期待に応えて、いっそう甘えてくれました。

ある時ピーが魚の骨の一部が歯に引っかかって、苦しんでいました。

私がピーを片手で抱き抱えて、口の中を指を入れて調べたら、奥の方の歯に骨が刺さっていました。

最初、私はピーの口の中の歯の奥に指を入れるのに躊躇しました

ピーが私を信頼してくれるか心配だったからです。

ネコは怖がりなので、誤解して噛みつく恐れがあったからです。

苦しんでるピーの為、思い切って指を奥の歯まで伸ばしました。

意外にピーはおとなしく、任せてくれました。

骨の取り除きはうまくいきました。

それ以来ピーとの友情はより固く結ばれることになりました。

ピーは畑の遠い場所にいても、私を見つけると飛んできてくれました。

家内が隣で食べ物を用意していても、私の方に来てくれました。

動物との信頼関係を結べた、この友情は本物だと確信しました。

ピーを飼いたいと思う気持ちはありましたが、

決心はつきませんでした。

その後、しばらくして、ピーの姿が見えなくなりました。

数人の子供たちが、ピーを連れてどこかに行ったという話しか聞けませんでした。

あれほど懐いていたピーが、黙って居なくなるわけが無いと思いますが、それ切り、出会うことはありませんでした

今でも嬉しい思い出として、心に深く残っています。

ピーとは庭での交流だけで終わりました。

家で飼ってやれなかった事が心残りでした。

次回、又新たなネコとの出会いを書かして頂きます。